勝間和代さんがいう「最高の贅沢」

『効率が10倍アップする新・知的生産術 ―自分をグーグル化する方法―』を読んできたわけだが、この本について、自分なりにまとめておきたい。

① まず、テーマを持つこと。テーマは、自分に本当に必要な情報をピックアップするア

  ンテナとなる。

② 良質な情報をインプットすること。マスメディアに頼り過ぎてはダメ。五感で感じ

  取った「自分メディア」からの情報を重視すること。

③ 入手した情報は、自分なりのフレームワークでまとめて格納し、取り出しやすくして

  おく。その助けとなるのがIT機器である。ノートパソコンやネットを自分の補助脳と

  して使いこなすこと。

④ 必ずアウトプットを心がけること。格納した情報を自分なりに再構成し、付加価値を

  つけて流通させることが重要。

⑤ 良いアウトプットには必ず人が集まる。「その人たちの知恵も集積する→より良いアウ

  トプットができる→人が集まる→さらに知恵が集まる」という好循環をめざすこと。

⑥ 知的生産活動を精力的に行うには、健康な心身が必要。自分自身のメンテナンスを忘

  れないこと。

以上が私なりにつかんだ、この本のエッセンスだ。

勝間和代さんはこの本の最後で、<ぜひ、何か、やってみてほしいのです>と呼びかけている。

今回のまとめをしたことで、勝間和代さんの呼びかけに少しだけ応えられた気がしている。

最後は勝間和代さんの言葉で締めたい。

<一緒に、ワクワク楽しい知的生産活動をやっていきましょう。それが、私たちにとって、最高の贅沢なのですから。>

勝間さんが運営しているインターネットコミュニティ

「ムギ畑」。これは勝間さんが運営しているインターネットコミュニティだ。

多様な経歴を持つ勝間和代さんだが、私が最も憧れるのは、「ムギ畑」の勝間和代さんだ。

育児と仕事の両立という自分の深刻な悩み。これをインターネットを通じて発信し、同じ境遇の人とつながり、知恵を共有する。人のつながりはネット上のみならず、オフラインでもつながっていく。この「知恵の共有+人のつながり」の中心に、勝間和代さんはいるわけだ。

ここには全国から、様々な年代、問題意識を持ったワーキングマザーが集まってくる。

<ムギ畑には、女性が出産を経ても働き続けるためにはどうしたらいいのかというノウハウが10年にわたり、蓄積されています。>

このサイトで励まされ、知恵をもらい、悩みを解決していくワーキングマザーは数知れないだろう。

勝間和代さんは、漫然とこのサイトを開いたわけではない。以下のように計画的に設計された場なのだ。

① 「ムギ畑がめざすもの」を公表し、コンセプトを明確にする。

② 運営のためのボランティアを集める。

③ フォーラムを作り、コンテンツが集まる場を提供する。

④ 定期的なオフライン・ミーティングを主催する。

⑤ コンテンツを集積して、オンライン上や書籍で公開する。

これは、自分が情報のハブになるためのマニュアルと言ってもいいだろう。様々な人の知恵を集め、それを自分もほかの人も有効利用できる仕掛けを作ったということだ。

勝間和代さんが2006年にエイボン女性大賞と受賞したのは、この活動が認められたからだそうである。

勝間和代さんの耳の痛い言葉

<せっかくいい情報を見つけて、インプットしたとしても、それを成果として表さないと宝の持ち腐れです。>

<インプットだけをしていたほうがラクなので、ついついアウトプットを忘れがち>

耳の痛い言葉だ。自分のことを言われている気がする。

アウトプットを習慣づけるためには、どうしたらいいのか。常に心がけていられるように、勝間和代さんのアドバイスをここに記しておこう。

① メモを取る習慣をつける。

② たとえば本を読んだら、そのまままとめるのではなく、必ず軸を作って自分の言葉で

  まとめる。

③ 周りのことを数値化するクセをつける。

④ 新しいことを考えるときは、常に本質的な情報は何かを捉え、軸を作る。

⑤ ①~④で得た知識をブログで公開する。

これだけ具体的に教えてもらえば、あとは実行あるのみだ。

あと驚いたことに勝間さんは、本の原稿はすべて自分で書き下ろしているという。これだけ多忙な人だから、口述したものをライターがまとめているのかと思ったが、そうではないとのこと。たとえ書いてもらったとしても、直すときに書くのと同じくらいの時間がかかるらしい。

「伝える」というのは、それだけ難しいものなのだなと思う。言葉にした時点で、自分のイメージは言語という制約を受ける。相手(たとえばライター)が真剣に向き合ってくれたとしても、完全には伝えられない。100パーセントに近づけようとするなら、イメージを強固なものにすることと、伝えるための手段を磨くこと。

<文字にできることの倍のリッチさの情報や考えがあってはじめて読者に訴えかけ、納得させられる>と勝間和代さんは言う。

勝間和代さん的Gmail活用法

Gmailは勝間和代さんにとって重要なツールだ。彼女はこれを<プライベートな補助脳>と呼ぶ。情報をここに格納しておけば、グーグルの優れた検索力で、いつでもそれを取り出せるからだ。

Gmailに情報を格納するとは、どういうことか。

まず、様々なアカウントへ来たメールは、すべてGmailへ転送されるように設定している。送信する際も、BCCで自分のGmailへ送っておく。これで送受信したメールがすべて一元管理できるし、ネットにつなげば自分のパソコン以外からもアクセスできる。

情報の一元管理は効率的だが、一方で<大事なことは「情報を必ず二重化しておくこと」です>とも教えてくれる。

方法としては、なくしたくないファイルはメールに添付して自分のGmailへ送っておく。そうすれば万が一自分のパソコンがクラッシュしても、サーバーにデータが残る。絶対にデータが流出しないのかという不安は残るが、便利なことは間違いない。逆に、本当に重要なものは自分のローカルのハードディスクにも残しておく。

便利なIT機器やアプリケーションにすべてを任せず、故障やサービス停止に備えて、危機管理の仕組みを持ちなさいということだ。

こういう具体的なテクニックも教えてくれる勝間和代さんだが、<いろいろなものを試してみて、自分にフィットしたものを残していく改善のプロセスが不可欠>と言う。教えてもらってテクニック・ショッピングを繰り返すだけでは、生産性の向上は望めない。試行錯誤を繰り返し、「改善を楽しむ」という気構えが大切なのだと思う。

勝間和代さんの健康法

勝間和代さんの生活は、ものすごく健康的だ。

<毎日、自転車であれば30キロ、徒歩であれば10キロを目安に有酸素運動をしています>。加えて週2回、トレーナーについてスポーツジムで筋トレ。たばこは吸わない、深酒はしない、睡眠は6時間以上とる、食生活にも気を遣う。

なぜ、こんなストイックな生活を送れるのか。

<真に高い生産性に必要なのは五感を使うことであり、そのためには精神的な落ち着きと健康な体が必要になります>。

さらにいえば、2007年の8月から10月にかけて、体重5キロ、体脂肪率5%、ウエストを7センチ減らしたという。しかも方法が勝間さんらしい。まず、シンポジウム、専門家、本から過体重についての膨大な情報を集め、それをフレームワークにまとめ、そのノウハウを利用したのだ。

完全に正しい。誰しも頭ではわかっている。ただ、それを淡々と続けられる人が、どのくらいいるのだろう。これはかなりハードルが高い…と書きかけてやめた。「どうして正しいと思うことをやらないの? 思うならやればいいのに。シンプルなことじゃない」と、勝間さんに言われそうだから。

<自分で新しいことを発見し、学び、それを行動につなげることこそが情報処理を行うことの醍醐味だと思います。>

身体のことに限らず、正しいと思える知識を手に入れたら、それを基に行動プログラムを変えること。行動し、それを習慣化することでしか成果は生まれない。

<常にほんの少しの習慣の差が、数年単位、数十年単位では、大きな違いになります。>

さて、何から始めようか。

自分のテーマを持つこと

情報入手の効率を上げるためには、どうしたらよいのか。

<まず必要なのは「問題意識、すなわち自分のテーマを持つこと」です>

と勝間和代さんは言う。

買い物に行って、目的以外のフロアをぶらぶらするだけでも、彼女の頭にはいろんな情報がインプットされていくらしい。要は、自分がどんなアンテナを立てているかだ。同じものを見ていても、そこから何かを読み取る人と、読み取れない人。それは問題意識、テーマがあるかどうかの差。

そうはいっても、自分のテーマなんてどうやって見つけたらいいのだろう? そもそも普通の人はテーマなんて持っているのだろうか? 私自身は、ここでもう足踏みしている。

勝間和代さんはヒントをくれる。一つは<欲求を具体的なものにしていく>、もう一つは<実体験として困っていることを探す>。

自分が困っていなければ、人が困っていることもテーマになる。

そういえば以前、各駅のエレベーターやスムーズな乗り換えのための膨大な情報を集めて、マップにした女性の話を聞いたことがある。彼女自身が、ベビーカーでの階段の上り下りに困っていたからだ。これに感謝したママたちは数多いだろう。

情報を入手することが、最終目標ではない。その情報をどう使って、役に立つアウトプットにしていくか。それを貫いていくのがテーマ。いくら勝間和代さんだって「私のテーマ」までは教えてくれない。

ちなみに勝間和代さんのテーマは「ワークライフバランス」「ITの効率的な生かし方」「生活習慣病の是正」等だそうである。

テレビは極力見るな

<テレビは極力見るな>と勝間和代さんは言う。テレビだけではなく、ラジオも雑誌も新聞も同じ。マスメディアからの情報は、万人向けに薄められている。摂取時間当たりの情報取得量が極端に少ないし、他人との差別化を図ることができない。だから1日30分以内に抑えなさいと。

 なかなかツライところだ。「だって、全部楽しいじゃないですか」と反論したいところではある。しかし「知的生産性を高めるため」に本書を読んでいるわけだから、ここはぐっとガマンする。効率的に、質の良い情報を入手しなければならないのだ。

 情報が薄いという以外に、マスメディアにはもう一つ問題点がある。マスメディアの情報はあくまで加工されたものであり、誰かの目を通して編集されたものだ。最悪の場合は、ヤラセや情報の改ざんがあり得る。

 情報の意味づけとして、マッキンゼーではこう教わるそうだ。

<情報には、空、雨、傘の3段階がある>。

「空」は客観的事実。

「雨」はそこから引き出される解釈。(空が曇っているから、雨になりそうだ)。

「傘」はその解釈に対しての行動。(雨が降りそうだから傘を持っていこう)。

 つまりマスメディアの情報では、「空」がどれだけ客観的かがわからない。それなのに「雨」や「傘」を提示されるので、騙されたり、混乱させられてしまう可能性がある。ひょっとしたら日傘が必要なのに、雨傘を売りつけられているかもしれない。アブナイ、アブナイ。

情報について

<情報はお金より大事である> <賢くない人が、賢い人からどんどん搾取される危険な時代>。勝間和代さんからの警告だ。これを頭にたたき込んでおけと言う。

 情報を入手し、自分の中に格納し、加工し、アウトプットする。アウトプットすれば、それに反応した人から、また良質の情報が得られる。この良循環を生み出せるのが「賢い人」、つまり情報主義の時代の勝者だ。

 「自分だけ勝てればいいのか?」という疑問は、とりあえず置いておこう。自分が強くなければ、弱者を救うこともままならないのだから。

 あふれる情報をどのように切り分けて、自分の使いやすいように整理するか。そのための必須技術が先日の「フレームワーク」だ。

 気づいてみれば、私たちはフレームワークで情報を処理するということを、実はずっとやってきている。その最たるものが試験勉強。教科書をまる覚えするのは絶対にムリ。だから重要部分だけを選び、分類し、覚えやすいようにノートに配置した。ヤマを当てるのが得意な友人は、みんなに頼られた。彼女の言ったことをしっかり記憶すれば、良い点が取れる。つまり情報の軽重を把握し、ムダをバッサリ切り捨ててくれる情報仕分け人だったわけである。

 「情報を入手する」という段階では、この仕分け能力がものを言う。役に立たない情報ばかり入れても仕方がないのだから。勝間和代さんが言う<ゴミを入れても、ゴミが出てくるだけ>はしっかり肝に銘じておこう。

勝間和代さんのマッキンゼーでの話

今の勝間和代さんにあって、28歳の彼女にはなかったもの。それは「フレームワーク力」。

 勝間和代さんは情報処理のプロ集団であるマッキンゼーに入社したばかりの頃、勝間和代さんの話は<わかりにくい、散文的である>と言われ続け、悩んだそうだ。そしてあるテラン女性コンサルタントが言ったのが、

 <マッキンゼーで、フレームワークのない会話なんて、主婦やサラリーマンのおしゃべりと同じよね>

 そんなに大切な「フレームワーク」って何? 悲しいかな、私の疑問はここから始まる。「まったく…そんなことも知らないのか」という皆さんも、ガマンしておつきあいいただきたい。勝間和代さんもわかりやすく書いてくれている。

 <フレームワークとは、「ある目的に沿って整理された思考の枠組み」を指します。> マッキンゼーにはフレームワークだけを集めた基本マニュアルがあり、勝間和代さんは毎日それを眺め続け、まずは200個覚えたという。

 そうか、型を覚えることから始まるのか。ちょっと安心した。マニュアルというと、「無能な人間に必要なもの」というイメージがないだろうか。でも、「有能な人間になるために必要なマニュアルがある。まずはそれに頼ればいい」。そう考えると前に進めそうだ。

 最初から自分でフレームワークを編み出そうとするのは、遠回りだ。まずは先人の作ったものを学び、覚えること。フレームワークの例として「文章の起承転結」、「戦略の3C」、「マーケティングの4P」などが紹介されている。参考文献として齋藤嘉則さんの著書が挙げられているので、こちらも読んでみたいと思う。

勝間和代の 『効率が10倍アップする新・知的生産術 ―自分をグーグル化する方法―』

勝間和代著 『効率が10倍アップする新・知的生産術 ―自分をグーグル化する方法―』を読み始めた。

勝間和代は一日にして成らず。あの勝間さんにも、恥をしのんで人から教わっていた時代があった。そのときに学んだ仕事術や方法論を、この本で伝授してくれるらしい。しかも前書きには、<この本でこれから紹介していく知的生産術はなるべく誰でも再現できるということをめざしました>とある。

もちろん、みんなが勝間和代になる必要はないし、みんなのゴールがすべて勝間和代だったらすごくコワイ。でも、勝間和代さんが持っている知識とノウハウを教わらないのは、絶対にもったいない。

勝間和代さんは、生産性を上げることができた要因、つまり今の彼女になれた要因を、3つ挙げている。その中の1つで身につまされるのが、3人の娘の育児・家事に時間がかかるため、生産性を高めざるを得ない状況に追い込まれてきたこと。どこにでもいる、働く母親の悩みだ。その悩ましい状況を、成功の要因であると言う。ここが彼女のすごいところなのだ。

周囲が悪いと言っていても始まらない。その状況を克服するために、自分に力をつける。無名の頃から、彼女はそうしてきたのだ。その日々の積み重ねの上に、今の勝間さんがいるのだろう。

「勝間和代さんはスゴイ。憧れる。でも私には絶対ムリ!!」。多くの人はこう思っている。でも、ムリって言ってればそれでいいの? 努力しない自分を甘やかしているだけじゃないの? そう自問自答しながら、なまけ者の自分との戦闘モードで、この本を読み進めたいと思う。